読書の春

拝啓。ビルディングの隙間を吹き抜ける風が柔らかくなってきましたね。日々何かの蠢きを感じる季節です。心なしか街行く人も人の枠からはみ出て見えますね。
新宿御苑の桜もとても美しいです。

先日、我らが太田垣店長が
「桜は綺麗だけれど、散ってしまうと悲しいからいつまでも咲かないでいて欲しい」と仰ってました。詩人ですね。

見渡す限り かすみか雲か 新宿南口店の江田です。

僕は読書が趣味で大学では文学部でした。専攻は英米文学です。
せっかくなので春に読みたいオススメの本を何冊か紹介します。

 

IMG_3205①夜の樹/トルーマン・カポーティ

デビュー作「ミリアム」を含む9話の短編が収められてます。中でも兄妹のイノセンスと冷たい孤独、物悲しさを感じる「銀の壜」という短編が素敵です。

春にノスタルジーを感じたい方にぴったり。

 

IMG_3202②砂の女/安部公房
不条理文学。昆虫採集に出かけた男が砂丘の中にある部落に閉じ込められてしまう。逃げようとする男と逃しまいとする怪しい女との生活を描いた話です。物語の進むタイム感がとてもリアルで息がつまるような感覚に陥ります。

春に息苦しさを感じたい方にぴったり。

 

IMG_3206③グレートギャツビー/スコット・フィッツジェラルド
狂乱の1920年代アメリカが舞台。ギャツビーという謎多き人物を中心に人々が時代に酔い、翻弄され、悲しい破滅に向かって行く話です。アメリカ文学を代表する一冊。個人的に僕はフィッツジェラルドがとても好きで、卒論にも書きました。
春に煌びやかな繁栄とセンチメンタルな衰退を感じたい方にぴったり。

 

IMG_3204④恋文の技術/森見登美彦
主人公の大学院生が友人や先輩に向けて書いた手紙形式の一冊。青年期の悶々とした気持ち、色んな矛盾、下らない事が真剣に書かれていてとにかく笑います。最近同作者の「夜は短し歩けよ乙女」が映画化されますね。
春に喜劇性とほんの少しの甘酸っぱさを感じたい方にぴったり。

 

IMG_3203⑤地獄変・偸盗/芥川龍之介
短編集。特に地獄変が良い。変わり者の絵師が地獄変という屏風を描くことを命じられ、様々な地獄の行苦を実際に再現しストイックに取り組むが、最後は恐ろしい代償を払うことに。
芸術家の美を突き詰める狂気を描いた話です。
春に何かを求めるあまり自分を見失いがちな方にぴったり。

是非読んでみてください。

 

さて、桜ももうすぐ散ってしまいますね。刹那的ですね。そんな桜の写真をアクセアでポスター、パネルにして部屋に飾るのは如何でしょう。
春を、閉じこめてみませんか。

新宿南口店でお待ちしております。

 

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